シンライフワークの倫です。
最近給与計算や社会保険の手続きを外注に出している企業が増えてきています。経理もその1つです。ただ丸投げをしたことによって失敗したケースも耳にするようになりました。ただ仕事を依頼すればいいというものではない、経理の仕事。
今日は経理のアウトソーシングで失敗を起こさないための3つの極意についてお話させていただきます。
目次
失敗を起こさないための3つの極意
① 協働でやるということを忘れず何を求めているのかのコミュニケーションを怠るべからず
② 社内のあたりまえは必ずしも標準ではないことを心得よ
③ 会社の戦略・経営方針・理念は共有せよ
① 協働でやるということを忘れず何を求めているのかのコミュニケーションを怠るべからず
スキルが高く、専門性が秀逸であったとして、アウトソーサーは社外の人間に変わりありません。良い意味で、彼らの高い専門性を、外部からの知見として活かすことはメリットでもありますが、会社の経営方針や戦略は話さなければ理解はできません。
「経理」としての作業はできても、その会社独自の戦略理解を共有していなければ、世間一般の決まりきった経理の仕事として進めてしまいます。それで生じてしまうイレギュラーな問題に対して対応ができず失敗するケースがあります。そこで重要なのは、社内に現場を把握している経理担当者とコミュニケーションを怠らないことです。相手は経理の専門家ですから、社内外協働で進めていくということを忘れずに。
業務を始める前に、会社が求める人物像、スキルを持っている人に業務を引き受けてもらうためにも、社内の業務プロセスをしっかりすり合わせをした上で、双方での業務分担を明確に行うことが失敗しないコツとなります。
② 社内のあたりまえは必ずしも標準ではないことを心得よ
それぞれの会社には独自のローカルルールがあります。もちろん、今までやっていた業務フローには、意味や目的がありますが、標準的なものではないことがよくあります。もちろん、それはアウトソーシングする会社にとっても同じで、専門家だからといって経理業務をただ「まる投げ」してしまうとそのルールの違いを知らぬがために、失敗を招く状況になります。
専門家だからこそ、社内の独自ルールや業務の内容については、しっかり共有をして、会社が行きたい方向に対して、適切な提案をしてくれるような関係構築ができるようなコミュニケーションをとるようにしていきましょう。
適切な依頼が結果として、長期的に失敗しない経理業務アウトソーシングに繋がるのです。
③ 会社の戦略・経営方針・理念は共有せよ
前述につながる話でもありますが、経理は、会社の金庫番として「お金」を扱う中枢部署になります。会社の戦略・経営方針・理念を理解してもらうことは、これからやってもらう仕事が会社の成長につながるものとなります。
中小企業での経営方針と、大企業での経営方針では依頼される業務に違いがあるのは至極当たり前のことです。この点を理解してもらわないと、単なる業務を代行してもらう「代行屋さん」にとどまり、求める結果を出せず失敗するケースが発生します。
アウトソーサーとはいえ「代行屋さん」ととらえず、ビジョンを共有して一緒に会社の行きたい方向に向かって、場面に応じて臨機応変に対応をしてくれるようにしていくことが失敗しないコツです。そして、そのように進めていくことによって、会社の経営状況を把握してもらい、専門家の知見で経営課題や業務改善すべき課題を指摘してくれる、経営者の右腕のような存在となれば、戦力して考えることも可能になるかと思います。
いかがでしたでしょうか?
経理というのは会社経営を成功に導く中枢となる部署です。失敗は許されないシビアな面があります。
1.2でお話しした内容を踏まえて、臨機応変に対応をしてくれるような会社なのか、戦略的なアドバイスまでを考えてくれる会社なのか、協働して進めていくことを踏まえて、失敗をしないためにも社内でも経理担当者と十分議論を進めてアウトソーシング先を決めていきましょう。
当コラムではハイクラス経理派遣サービスの活用をお勧めします!
<参考資料>
国内ビジネスプロセスアウトソーシングサービス市場 支出額予測: 2018年~2023年
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ44958219
「国内財務/経理BPOサービス市場においては、単純な記帳代行業務は縮小傾向にある一方で、業務改革の一環として財務/経理業務全体を外部委託したいとの需要や、さらにこれを起点とした間接部門を包括的にサポートするサービスに対する需要は高い状態が続いている」
経理の仕事は単純な事務処理から始まり、経営に影響を与える重要な部分まであり、専門性が求められる職種です。企業が成長すればするほど、経理でやらなければならない作業も増えていきますが、経理の仕事には専門性と正確性が求められるため、「この人」という人員を確保できず、経営者自らが経理の作業を行っているケースも多いようです。そのため企業の成長と比例して経営者自身の本来の仕事を時間を捻出するために、経営者レベルでやっている踏み込んだ経理の仕事をアウトソーシングをするケースが増えているのかと思います。