シンライフワークの河村です。
IT技術の進歩とともに猛烈なスピードで世の中が変化している中、企業が生き残っていくために優秀な人材の確保は必須ですが、殊、中小企業においては人材の採用すら困難になっている状況です。
自社の貴重な社員をより重要な業務につけ、それ以外の定型業務をアウトソースする、そうした動きが活発化してきています。
特に、会計・税務といったいわゆる経理業務は、外部の専門家に任せたほうがコストも安く、業務はクオリティも高く処理することできることから注目されています。
そこで今回は、経理のアウトソーシングを検討する際に考慮すべき3つのポイントをお伝えいたします。
導入検討ポイント1:経理をアウトソーシングするメリット
本来やるべきメイン業務に集中できる
売上と伝票の付け合わせ、売掛金買掛金チェック、経費精算、データ入力など定期的に発生する経理業務をアウトソーシングすることで、削減できた時間、工数をより創造的な業務に、例えば顧客獲得・フォローなどの業務に集中、専念することができます。
ノンコア業務をアウトソーシングすることで、人材リソースを競争優位性を確立するために活用できるのがアウトソーシングをするメリットです。
自社で行う専門ノウハウの活用で手間が省ける
健康保険、厚生年金などの社会保険の料率はよく変更されます、また昇給等によってその保険料を変更しなければなりません。各種税金支払いやマイナンバーの保全・活用などの業務は制度の改正が頻繁にあり、その都度対応に迫られます
こうした言わばルールに則った対応作業はどこの企業でも変わりませんが、自社で行うとすれば結構面倒な作業であり、ルール変更の度に行うだけにミスも生じ易くなります。
これら業務をアウトソーシングすれば、新たなルールに適応した事務作業を専門家に任せることで、品質が確保され、かつ自社で行う手間が省けます。
人件費などのコストダウン
経理担当者を採用するとねれば、その採用募集費、育成費、社会保険等の法定福利費等々、費用が必要となりますが、アウトソーシングをすれば、特に募集費や法定福利費など間接費用はかかわらないので費用の削減が可能となります。
しかしながら、アウトソーサーのサービス内容も様々ですので、依頼する業務範囲やオプションの追加料金等比較して活用することをお勧めいたします。
コストダウンできるはずが、逆に高くついてしまったということにならないよう注意してください。
導入検討ポイント2:経理をアウトソーシングするデメリット
経理業務の依頼範囲を明確にする必要がある
面倒なことを依頼するのに、面倒なことをまずはやる必要があります。それは、何をどこまで依頼するのか、その業務の範囲を明確にすることです。
そうしなければ、導入前からアウトソーサー(外注業者)とのやりとりが増え、逆にストレスになることも。
そのためにも、アウトソーサーに自社で行っている経理業務のやり方を伝える必要があり、場合にとっては作業マニュアルを作成する必要が出てきます。
「そんな時間はない!」という状況であれば、しっかりとヒアリングをし業務フローを作成してくれるアウトソーサーを選択するのも手のひとつです。
コミュニケーションが上手くいかない場合がある
仮に、『イレギュラー対応もあるので、その場合は柔軟に対応して欲しい』という場合はアウトソーシングすること自体を検討した方がいいかもしれません。
定型化された業務であればアウトソーシングはとても有効的です。しかし、例えば請求書を発行する際に特殊的な精算の仕方を必要とする場合は、アウトソーサーは社外、すなわち物理的な距離がありますので、社内のように声を掛ければすぐに対応できるといったものではありません。
本来は社外であっても社内のような存在がアウトソーシングの良さでもありますが、
イレギュラー対応が多いなど、業務遂行において共通言語化が難しいとなれば、コミ
ュニケーションギャップを避けて通れないかもしれません。よって、経理はノンコア
業務であると思っていても、それらをアウトソーシングするというレベルではなく
なる可能性が出てきますのでご注意ください。
適正コストの判断が難しく費用がかかりすぎる場合がある
定形業務に、イレギュラー業務の対応の時の追加などでアウトソーシングの費用が思っていた以上になってしまった…ということもあります。また、業務処理にあたり、どのレベル感どれくらいの費用が適正なのかを判断することは容易ではありません。結果的に人を採用しても変わらない、若しくはそれ以上のコストを支払ってしまう可能性がありす。
アウトソーシングをすれば必ずコストの削減ができるかわけではなく、基本料金で出来る範囲と追加業務の費用を予め確認しておく必要があります。
自社にノウハウが蓄積されない
アウトソーシングとは外部部門に業務を依頼することです。つまり、それは業務が社外(社内アウトソーシングもありますが)で行われることであり、社内にノウハウなどは蓄積されません。
アウトソーシングする業務は、社内のリソースでやるべきではない業務である、とすればデメリットにはなりませんので、理解したうえで割り切って活用することであればアウトソーシングは有効です。
但し、注意点としては、依頼したアウトソーサーのサービス撤退等の可能性が全くないとも言えないので、アウトソーサーとのコミュニケーションを定期的にしておくとよいでしょう。
導入検討ポイント3:経理のアウトソーサー(外注業者)選びの仕方
アウトソーシングの特性から、アウトソーサーの見極めに関し、以下の点を考慮してみてはいかがでしょうか。
迅速・丁寧、そして真摯に対応をしてくれるか
アウトソーシングは外での業務処理が基本です。物理的な距離がある分、担当者とのコミュニケーションは不可欠です。
直接でなくともお金、また経営に直結する数字を扱う仕事を任せるのですから、その専門性、正確性はもちろんのこと、例えばイレギュラー対応が出てきた場合、迅速で丁寧な対応をしてくれるのか、これまでの実績や担当者との相性などを確認し、信頼できるアウトソーサーに依頼しましょう。
サービスの範囲は?
経理のアウトソーサーも様々。記帳代行から経理全般業務まで、そして経理・会計のほかに税理士や公認会計士がいて税務・財務の業務も請け負う企業もあります。どのようなニーズに対応しているか、サービス内容は異なりますので、自社に適したサービスを提供するアウトソーサー選びが大事になってきます。
単純な経理業務を依頼するのか、資金面などの経営に関するアドバイスもしてもらいと考えている等々、依頼前に整理してからアウトソーサーを探すのもよいと考えます。
サービスの料金体系があるか
経理のアウトソーシングを利用する場合の費用はどれくらいになるのか?
月10万円~といった目安を表示しているアウトソーサーもいますが、実質かかる費用は依頼される内容によって変わるケースが多いと思います。
よって、最終的には依頼する内容をしっかり伝えて見積をもらうことをお勧めします。できるだけ、アウトソーサーから料金表を見せてもらい、支払うコストに見合うかどうかの一時判断をするとよいかもしれません。
まとめ
本記事では、経理のアウトソーシングを検討する際に考慮すべき3つのポイントと称して、そのメリット・デメリット、そしてアウトソーサー(外注業者)の見極め方をお伝えいたしました。業務を依頼する上で何事にもそのメリット、デメリット同時に存在するものです。本記事がアウトソーシング導入の検討材料になれば幸いです。
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